巡礼・遍路



■四国八十八ヶ所(しこくはちじゅうはっかしょ)
 四国にある空海(弘法大師)ゆかりの88か所の寺院の総称で、四国霊場のもっとも代表的な札所である。単に八十八箇所とも言い、あるいはお四国さん、あるいは本四国とも言われている。四国八十八箇所を巡拝することを四国八十八ヶ所霊場会では四国巡礼と言い、似たような呼び方として四国遍路、四国巡拝などともいう。

 古代から、都から遠く離れた四国は辺地(へじ・へぢ)と呼ばれていた。平安時代頃には修験者の修行の道であり、讃岐国に生れた若き日の空海もその一人であったといわれている。空海の入定後、修行僧らが大師の足跡を辿って遍歴の旅を始めた。これが四国遍路の原型とされる。時代がたつにつれ、空海ゆかりの地に加え、修験道の修行地や足摺岬のような補陀洛渡海の出発点となった地などが加わり、四国全体を修行の場とみなすような修行を、修行僧や修験者が実行した。

 また、西行の白峰御陵(白峰寺)の参拝、弘法大師遺蹟巡礼や、一遍の影響もあるといわれている。室町時代には僧侶の遍路が盛んになる。
  
■同行二人(どうぎょうににん)
 仮に一人で四国八十八箇所をめぐっても、同行二人と言って常に「お大師さん」(弘法大師)と一緒にいる想いで巡礼している。「同行二人」は参拝の道具にも記されている。同行二人の巡礼者ともう一人は弘法大師以外でも、亡くなった家族や先祖、帰依する如来や菩薩などのことを想ってもよいとする教えもある。

■金剛杖(こんごうづえ)
 木製の杖で空海が修行中に持っていた杖に由来する。巡礼者が持つ金剛杖は弘法大師の化身ともいわれるほどで、宿に着いたら杖の足先を清水で真っ先に洗い、部屋では上座や床の間に置くなどの扱いをするのがならわしである。巡礼中、行き倒れた巡礼者の卒塔婆として使用されたといわれる。市販されているものは「同行二人」「南無大師遍照金剛」や頭部に『地』『水』『火』『風』『空』の五輪を表す梵字が書かれ、頭部の五輪は直接手で触れない様に金襴を巻いて持つ、般若心経が書かれているものもあり、橋の上ではついてはならない。




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